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神戸、ミナミ、尽きぬ不安

国内最大の指定暴力団山口組(神戸市灘区)から離脱した山健組(同市中央区)が4日、離脱後初の会合を開き、新組織結成に向けた動きを見せた。  今後、ささいなトラブルから抗争に発展する可能性も危惧される。「とにかく不安だ」「どうやって身を守ればいいのか」。地元・神戸だけでなく、各地の組事務所周辺の住民らの間にも不安が広がり、秋の観光シーズンを控え“風評被害”への懸念も出始めている。 「早く落ち着いて」  「はよ帰りや。面白半分で来たらあかんやろ」。4日、幹部らの出入りが目立った山健組事務所前。通学路付近で見守りに立った教職員が、子供たちに近寄らないよう声をかけた。  男性教諭は「抗争が起きて子供たちに危害が及ぶのが怖い。早く落ち着いてほしい」と訴える。  市内の小中学校、高校などに通学路の変更や教職員らの巡回強化を通知した神戸市教委の担当者は「この状況がいつ終わるのか分からないし、終わっても事務所がある限り『今日からは安心ですよ』という日はない。安全への取り組みをさらに強化する以外、できることはない」と話した。  山健組事務所前の路上では平成22年、住民が寝静まった未明に手榴弾(しゅりゅうだん)が爆発し、近隣民家の窓ガラスが割れる事件が起きた。かつて山口組内部が分裂し、昭和59年から平成元年まで続いた「山一抗争」では、死者25人を出す過去最大の抗争となり、市民や警察官にも負傷者が出ている。  事務所近くに住む60代の女性は「他府県ナンバーの車が最近うろうろしていて怖い。ゴミ出しや買い物に行くときも遠回りしないといけない」と嘆いた。 「ドンパチあるとは思えない」  「暴力団への締め付けが厳しくなっている中で、ドンパチ(銃撃)があるとは思えない」。大阪府警の捜査幹部は現状で大規模な抗争事件に発展する可能性は低いとみる。4年の暴力団対策法施行後、警察が取り締まりを強化しているためだ。  「昔は暴力団からおしぼりを半ば強制的に買わないといけなかったが、最近はそういう話も聞かなくなった」と話すのは、大阪・ミナミで飲食店を営む女性(48)。暴対法施行後は暴力団の絡むトラブルが減ったという。  ミナミ周辺は、山口組と離脱組双方の有力組織同士の利害が絡み合っているとされ、別の捜査幹部は「組員同士のいさかいはあるかもしれない」と警戒する。そのミナミには、山口組から離脱した宅見組(大阪市中央区)が事務所を構えている。  近くの店で働く20代の女性は、事務所を見つめながら「何かあったら、どうやって身を守ればいいのか」と不安な表情を浮かべた。 「客足遠のく」  山口組の分裂騒動以降、ミナミ界隈では暴力団関係者の姿が目立ってきたとの声もあり、飲食店を営む50代の女性は「大きな組織から離れると、組の統率が取れなくなってしまうかもしれない。とにかく不安だ」と訴えた。  秋の観光シーズンも始まる。ミナミの中心でもある戎橋筋商店街振興組合の幹部は「抗争が起きることも怖いが、何も起きていないのに風評被害で客足が遠のくことが怖い。抗争がないことを望むしかない」と語る。  山健組事務所から近く、多くの観光客や買い物客が訪れる神戸元町商店街連合会の幹部も、こう不安を口にした。  「今の時点では対応策は取っていないが、抗争になれば人出が減る可能性もあり心配だ。警察との連携を強めていくしかない」